クミタフリア

[クミタフリア]

ゼアノスタ大陸にかつてあった国。
三つの異なる神の神殿を持っていた国。クミタフリアの禁忌で知られており、その事件の顛末追ったミサイク・スタルのメモにより、隠されていた呪いが明るみになり崩壊してしまう。

成立

険しい山に囲まれ、土地は豊かではなかったが、魔力が集まる所とされ、いくつかの神の巡礼地とされていた場所に、統一暦５００年頃、水を司る神テーアテームの神殿が出来たことがその起源だといわれている。
続いて火を司る神ノーシュテムの神殿、樹を司る神アテリアビの神殿が出来上がった。
三つの神殿は別々に存在していたが、土地を発展させるためには協力する必要があるのではないかという提案がなされる。ノーシュテム、テーアテーム、アテリアビは比較的近い関係にあると考えられている神であり、それぞれの存在がそれぞれを否定せずにむしろ肯定する立場にあったことから比較的それは簡単に受け入れられた。
その象徴として大きな神殿をひとつ作り、三神を祭ることにした。この時に、土地を豊かにするために、無彩の杖が作られたと言われている。この無彩の杖のおかげで土地は豊かになり、それ以降のクミタフリアの発展に寄与したとされる。

３つの呪い

統一暦７２８年にクミタフリアの禁忌と呼ばれる事件が起こる。統一暦８２０年、この事件の顛末を明らかにしようとした事件の関係者の子孫であるミサイクが残したメモが見つかり、クミタフリアと無彩の杖に隠されたある事実があきらかになる。
それは、クミタフリアがその名前を付けられる前の出来事であったという。
クミタフリアがその名前を付けられたのは、三神の共通した神殿が作られた前後だと考えられている。その前の時代、存在していたと語られていたのは三神の神殿だけであったが、その当時、本当は豊かな大地を持っていたこの地域では実際にはいくつもの神の神殿が存在していたという。
小規模の神の神殿は建てられては消え、消えては建てられてというのを繰り返しあまり定着していなかった。しかし、闇を司る神ジーリアエス、大地を司る神ハンギフ、空を司る神エオスラフの神殿はノーシュテム、テーアテーム、アテリアビと同程度の規模で存在していた。
本来はこの六神が協力して国を作ろうとしていたが、他の五神とは毛色の違うジーリアエスが含まれていることを懸念する声がアテリアビの神官から上がった。
ジーリアエスの神官は拒否されるのならば、そのまま変わらずに存在し続けるだけなのでどちらでもよいと考えていたが、それに反対したのが、ハンギフとエオスラフの神官であった。六神で協調しなければならないと主張した。この意見の対立が激しくなると、それまで静観を決め込んでいたノーシュテム、テーアテームの神官も巻き込まれることになる。混乱の原因を排除すればいいと考えたアテリアビの神官は、ジーリアエスの神殿を襲撃するという強攻策にでる。
これで事態は収拾に向かうと思われたが、多数の死者を出したこの行動にハンギフとエオスラフが反発する。ノーシュテム、テーアテーム側は必死にそれをなだめようと画策するがそれは上手くいかず、逆にアテリアビ側に組するものとしてみなされる。
最終的に、ニ神側と三神側にわかれた不毛な争いになってしまう。結果、三神側が勝利すると、その不毛な争いを語らない物として封印する。
しかし、この争いの後、周辺の状況が一変する、今まで豊かであった大地で作物が育たなくなったり、空気がよどんできたり、たびたび、闇が訪れるという事態が起きるようになってきた。その原因となったのが、ジーリアエス、ハンギフ、エオスラフの３つの神殿の神官が残した３つの呪いであった。この呪いによりその場所は少しずつ人が住めるような場所ではなくなっていった。
呪われたこの状況を打破するために考えられたのが、三神の神殿の協力である。三神は協力して、無彩の杖を作り上げ、土地に残された呪いを除去すると同時に、クミタフリアの名前を付けて過去を払拭することにした。無彩の杖が集めていたのは魔力ではなく呪いの力であった。これが功を奏して、クミタフリアは発展の道をたどることが出来た。
しかし、この隠された呪いの話が明らかになると、再び呪いが力を吹き返したように、大地は腐り、空気はよどみ、闇がたびたび訪れるようになり、クミタフリアは崩壊の道をたどることになってしまう。

関連年表

統一暦５００年頃：クミタフリア、３つの呪いにまつわる事件の後、成立。
統一暦７２８年：クミタフリアで、クミタフリアの禁忌の事件。
統一暦８２０年：クミタフリア、３つの呪いの存在が明らかになり、呪い力が蘇る。