無彩の杖
[ムサイノツエ]
クミタフリアにある神殿に秘宝として封じられていた杖。クミタフリアの禁忌の事件でバフル・ビーロがその力を利用したが、事件の際に失われる。後に砕けた杖がクー・カキエを名乗る人物によって奉納される。クミタフリアを実りある大地にするために作られたといわれていたが、隠された事実があり、それが明らかになることでクミタフリアは崩壊への道をたどることになる。
豊かな大地のために
クミタフリアに神殿が建立された際に、その建立地にあった古木から作られた杖。クミタフリアは元々それほど豊かな大地ではなかったが、その大地で長い間成木として生命力を発揮していた古木の力を使うという発想で作られ、静寂の力と封じ込めの力を込められている。
作られた当初から、神殿に秘宝として封じられていて、人々の祈りの力から魔力を少しずつ蓄積していきそれを大地に還元することで、クミタフリアの大地を豊かなものにしていた。
砕けた杖
統一暦728年、クミタフリアの禁忌の事件で、その力を使うことで蘇生魔法を実現することが可能だと考えたバフルによって封印を解かれて使用されるが、直後に砕けてしまう。許容量を超えた魔力を集めたため、蓄えられた魔力を全て放出したため、そもそもの杖の寿命のためなどといくつかの理由が推測されている。
砕けた後の詳細は不明とされ、魔力を失ったため消失した、砕けた杖の破片はあちこちに飛び行方不明になったなどと憶測されていたが、事件自体が様々な憶測を生んでいたことから無彩の杖の行方に関しては本格的なに調査が行われることがなかった。
統一暦803年、砕けた無彩の杖をクーを名乗る老婆によって奉納される。その後の調査で本物の無彩の杖であることが確認される。
集められた話
この砕けた無彩の杖に関しては、その後、クーの噂話とともに様々な話が生み出されることになる。これらの大半の話は奇妙な噂話であったが、その中から真実と思われる話を集め紡いでいった者がミサイク・スタルである。ミサイクはクミタフリアの禁忌を終わらせ姿を消したクイット・スタルの子孫に当たる人物だった。
統一暦810年ごろ、ミサイクはそれらの話を数冊の本にまとめるが、神殿側の妨害に合い発表することができなかった。これに対して神殿側はでたらめの内容のもので神殿を侮辱するためのものであったからと理由を説明している。この当時、神殿の権威が高かったためにその言い分を疑うものは無く、この本の内容は話題になることはなかった。
統一暦820年、ミサイクの息子ガドアル・スタルは書斎でミサイクが記したと思われるメモを発見する。
そのメモは話を集める過程のものらしく、様々な話が記されており、それぞれにミサイクの物と思われるコメントが記されていた。
その中のひとつに杖の成り立ちについてクミタフリアで一般的に広まっている話とは異なる話が書いてあった。
それによると、クミタフリアがその名前をつけられる前の3つの呪いが元になっていたというもので、このことが明るみになり、クミタフリアは崩壊の道をたどることになる。
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