アック・イーマ
[アック・イーマ]
統一暦283〜330年贋龍の牙を継承した竜使い。贋龍の牙の秘められた力を発見し、その力を恐れ贋龍の牙を隠した人物。
生い立ち
ミリドーラで両親共に竜使いの家庭に生まれる。ミリドーラに住む者の大部分がそうであるように竜使いとしての基本的な訓練を受けながら幼少時代を過ごす。この頃、幼い竜に出会う。後に深紫の眼と呼ばれアックが使役することになる竜である。同い年ぐらいの竜とすぐに打ち解けると、常に一緒にいるようになる。まるで兄弟のようだと両親は周囲の者に語っている。
こうして、特段契約を結ぶわけでもなく、竜使いとなる。
継承者
20歳の頃にはそれなりの竜使いとしての実力を持っていたとされる。アックの場合、技量よりも竜との信頼感がずば抜けていた。そのため、アックの能力というよりも深紫の眼の能力が優れているだけだと批判されることがあった。アックもこういった批判に反論することなく認めていたが、それを含めて竜使いの実力ではないかという思いを抱いていた。
統一暦321年、38歳で贋龍の牙を継承することになる。この時にも同様の議論が起こったが、アックと深紫の眼の信頼感を否定する者がいなかったことから、その力を最終的には認められることになる。
秘められた力
統一暦324年、アックは継承した贋龍の牙を紛失してしまう。そして、数日後事件が起こる。深紫の眼が突然、凶暴化し暴れだしたのだった。今まで一度もそんなそぶりを見せたことのなかった深紫の眼の行動に驚きを隠せないアックは懸命に深紫の眼を抑えようとするが上手くいかなかった。自分の能力の無さを始めて実感したアックは、苦渋の決断の末、戦うことを決意する。その戦いの最中、アックは深紫の眼の様子がいつもと違うことに気がつく。単に凶暴になっただけではなく苦しそうな姿に何か異物を飲み込んだのではないかと思い立ったアックはその異物を取り出すために深紫の眼の体内に潜り込み、そこで贋龍の牙を発見する。贋龍の牙を取り出すと深紫の眼は何事もなかったようにおとなしくなった。
後にこの贋龍の牙が原因だとはっきりすると、アックはその力で自分自身の能力を上げることを考えはじめる。そこには、深紫の眼が暴れた時に押さえつけることの出来なかった自分自身への苛立ちがあったといわれている。
直接的に体に埋め込み、その力を得ようとするが力は暴走し、今度はアック自身が力を押さえつけられなくなってしまう。
これを身を挺して止めたのが深紫の眼だった。深紫の眼はアックの暴走する力を受け止めながら、その体から贋龍の牙を取り出すことに成功する、しかし、アックの暴走する力によって受けた攻撃により命を落としてしまう。
贋龍の牙の危険性を認識したアックはそれを破壊しようとするが失敗したため、誰にもわからない場所へ隠すことにする。この隠し場所には深紫の眼も一緒に葬られたといわれている。なお、贋龍の牙は大陸戦争の時代までその所在はわからなくなる。
この後、アックは半身ともいえる深紫の眼を失った悲しみから癒えることはなく、失意の日々を送ったといわれている。
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