ukariko Creation

ukariko Creationについて
ブログ
リンク
メルマガ

アビヘルド・スファイア

[アビヘルド・スファイア]

統一暦878〜955年。
ロマーズの国王。王殺しの事件で自身の近衛隊の隊長であるアクレ・ウィンドウに殺害される。温厚な性格で調和・融和を心情としていた。

生い立ち

ロマーズ国王ファーツ・スファイアの第2王子として生まれる。第1王子であり、兄のクタリアウス・スファイアとは幼少の頃から仲がよかったが、活発なクタリアウスに対してアビヘルドは正反対にもの静かでおとなしかった。そのため、動の王子、静の王子と呼ばれることもあった。
剣術や魔法などにも一通りの関心を示すが、人並み程度の腕で特に秀でた才能を持ってはいなかった。しかし、幼少の頃より本をたくさん読んでいたおかげで多くの知識を保有していた。やがて、順当にクタリアウスが次期国王になると、その片腕として主に内政面で支えることになる。その際に役立ったのが幼少の頃から蓄えていた知識だった。

つなぎ役としての王

クタリアウスは王として非凡であったが、その性格故か内乱を勝ち抜きポストマーズを統一するという野心を持っていた。そのために他国への侵略を図ることが度々あった。その都度それを諌めていたのがアビヘルドであった。
この当時、十二魔法士の半数以上が侵略を支持する強硬派であったために、その説得には苦労していたようである。十二魔法士の中にはアビヘルドが他国と通じ国王の座を狙っているという噂を流すものもいた。しかし、クタリアウスはアビヘルドの言葉に理があると分かると決して我を通すことはなかった。
このままの体制が続き、二人が強力して国を治めていくと思われた矢先、クタリアウスが病に倒れあっけなく息を引き取る。統一暦923年のことである。クタリアウスは息を引き取る寸前、自分の息子セリオド・スファイアと国の事をアビヘルドに託した。
アビヘルドはそのままセリオドを即位させようとするが、まだ23歳と若かったためにある程度の年齢になるまでは自分が王となりその後王位を譲ることを考えた。これに対して十二魔法士側からも激しい反発を受けたがそれまでの実績とセリオドが王にふさわしい実力を得るまでという条件付でしぶしぶながら納得させるのだった。
しかし、アビヘルドが王に即位した直後、セリオドが不慮の事故で命を落とす。クタリアウスにのセリオド以外の嫡子はいなかったためにアビヘルドはクタリアウスとの約束を守れなかったことを嘆き悲しむ。
そんなアビヘルドに一筋の光明を与えたのが、セリオドの子供、クタリアウスの孫に当たるオプシュ・スファイアだった。アビヘルドはオプシュを自分の養子に迎え入れ、次の王となれるように画策した。
アビヘルド自身には3人の王子と1人の王女がいたが、第1王子セガルゾ・スファイアは病死、第3王子アミケリア・スファイアは王族としての責務を嫌がり姿を消しており、また、王女アスリエ・スファイアと第2王子デガヤ・スファイアの二人はアビヘルドを全面的に指示していたので問題にはならなかった。
順調に時が過ぎていきようやくアビヘルドの念願が叶いそうになったときにひとつの問題が発生する。オプシュの即位に関して十二魔法士の穏健派が難色を示したのだった。アビヘルドは一貫して平和主義を通しており、他国への侵略を一切認めていなかったのだが、それが壊されることを懸念したのだった。
アビヘルドは自身の考えを曲げてでもオプシュに実績を作らせる必要があると感じた。統一暦950年、前年から続いていたトマーズとの小競り合いに対してオプシュを大将として兵を挙げた。オプシュはおそらくそれなりの戦略を持ち合わせていた人物であったが若さゆえか才の限界だったのか、緒戦で勝利したオプシュはそのまま勝ち続けられると錯覚してしまい、トマーズ軍の増援のタイミングを見誤り退くタイミングを失ってしまう。そして、最悪の結果として、部隊は壊滅しオプシュ自身も命を落としてしまうことになる。つなぎ役であったはずのアビヘルドは結局その目的を果たすことはできなかった。

王殺しの事件

オプシュの死により、より強固に戦乱を嫌うようになったアビヘルドは戦乱の種になりそうなことはことごとく拒否するようになる。統一暦954年に起こったソマーズとロマーズとの領土争いでも被害を受けたのはロマーズであったが、領土争いを起こし戦いに負けたソマーズに対して最低限の保証しか求めることはなかった。これはそれを根として別の争いが生まれることを懸念してのことだった。しかし、この戦乱においてアクレは自身の父であるルティン・ウィンドウを失っていた。王殺しの事件ではこれが全ての原因だと言われているわけではないが、事件が起きた一要因になったことは間違いないと言われている。そして、翌年の統一暦955年アクレによってソマーズとの和平交渉の席で命を奪われることになる。
なお、王殺しの事件の後、アビヘルドの後に王になったのは第2王子であるデガヤであった。


ukariko Creation Topへ
Copyright (C) 2005-2013 うかりこ. All Right Reserved