ハープ・アブ

[ハープ・アブ]

統一暦９０２〜９８９年
記憶を失っていた夢を持つ者を助けた者として知られている。

生い立ち

後に一時期ドロモと呼ばれる国になる村落に生まれる。本人に取ってはそうではなかったかもしれないが、平穏な日々を過ごして大人になり、村落の外に出ることもなく平穏のまま年を重ねていった。平穏で平穏な人生を過ごしたとだけされるような人生を歩んでいる。この村落に住んでいる大部分の者がそうであったように、穏やかな日々を過ごしていたためか、心優しく誰にでも親切な者であった。
統一暦９７３年にその村落の長であったテイ・タヒがドロモ建国を宣言したが、ハープにとってはそれで何が変わるということもなかったという。

記憶を無くした者

ドロモが誕生した後もハープの暮らしが変わるわけではなかったが、そのハープの生活に変化が起きたのは記憶を失った夢を持つ者が現れたことであった。夢を持つ者は２３体の魔の者のひとりであったが、世間に疎いハープは夢を持つ者が魔の者であったことに気がつくこともなく、遭難者か戦乱から逃れた難民だと思っていた。心優しかったハープは夢を持つ者のことを気の毒に思い、その面倒を見ることになる。
しかし、１週間が過ぎたある日、夢を持つ者は突如として暴走し、ドロモを一夜にして滅ぼしてしまう。この際、不思議なことに夢を持つ者の一番近くにいたハープはその暴走に巻き込まれていながらかすり傷ひとつ負っていなかった。夢を持つ者がハープの優しさを感じていて、ハープを守ったのではないかと考えられている。
ハープはその後、廃墟となり、ドロモとは呼ばれなくなったその場所で生き残った僅かな者たちとそれまで通りの生活を送ったという。
ハープはこの廃墟の中で後にこの暴走の原因になったのではないかと思われたヌガロスの冠を発見している。しかし、ハープは何となく嫌な予感がして、そのまま廃墟から離れたところに捨ててしまったという。

関連年表

統一暦９０２年：ハープ・アブ、生誕。
統一暦９７３年：ドロモ建国。
統一暦９７５年：ドロモ崩壊。
統一暦９８９年：ハープ・アブ、死去。