イデン・ステア
[イデン・ステア]
統一暦462〜512年サシア海の漁師。ラニアーフ建国に奔走した者。
生い立ち
サシア海の小さな孤島で生まれる。漁師だった親の影響があり、小さな頃から漁を手伝っていたといわれる。漁師としての腕前は並より少し上程度であったが、兄貴分的なところがあり、面倒見が良いと評判であった。成人すると当然のように漁師となる。
漁師としてある程度年齢を重ねると、その面倒見の良さもあり、漁師仲間をまとめる存在になっていく。この当時、サシア海の漁師はアガースイヌ大陸との交易を主に行っていて、そのために、アガースイヌ大陸に港を作っていた。この港の管理の一端を任されるようになる。
争いごとの解決
この港はアガースイヌ大陸にあったが、サシア海の者が作った物であったために、サシア海に住んでいた者たちの物という意思が強かった。これを面白く思わなかったのが、元々、その辺りに住んでいたアガースイヌ大陸の漁師であった。この反発により無用の争いが起きることを心配したイデンは、相手側の漁師の代表であったホン・クーフと話し合いの席を持ち、その解決策を模索するようになる。
ホンも漁師同士が無駄に争う必要はないと考えていたが、そのために、自分達が何かを譲るということは考えてはいなかった。
イデンは、サシア海の漁師達は自分達の漁場で取った魚を売りたいだけであることを説得し、それによってホン達が何ら不利益を被ることはないと説得をした。その証明として、イデンたちが作り上げた港の管理を全て譲るとした。ただし、ホンによってその港を守り、あくまで中立的な立場として、交易を見守るという責任を負ってもらうことを提案した。そして、そのために、国を建国することを提案した。
予想外の交渉にホンは驚いたようであったが、その魅力的な提案を断ることはなかった。そして、実際にイデンの言うとおりラニアーフが建国されたことで、サシア海に住む者たちとアガースイヌ大陸に住む者たちとの争いは無くなっていき両者に利益をもたらしたという。
いち漁師の知恵
面倒見が良く、知識に長けていたという評価を得ているイデンであるが、その知識の源になった物については謎な部分が多い。知識があったとはいえ、国を作り、それで物事を収める方法を本当にイデンが思いついたのか、疑念に思う者も多い。実は、ラニアーフ建国後、王となったホンの配下であったキハイト・セツが考えたことであり、サシア海の漁師達にラニアーフ建国を納得させるために、イデンの手柄にしたのではないかと考える説もある。
関連年表
統一暦462年:イデン・ステア、生誕。統一暦512年:イデン・ステア、死去。
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