イーシュウ

[イーシュウ]

ゼアノスタ大陸の北部に位置する国で１年の４分の３が雨季に当たる雨の国。
天魔法を利用した雨の部隊で知られている。

成立

ゼアノスタ大陸の北部に位置する国で統一暦７００年頃に誕生した国である。元々はキトブクの一部であったが、キトブクがサリアリアス皇国に敗れ吸収合併された時に、それを不服とした一派が独立して建国された。
イーシュウに取って幸いであったことは、サリアリアス皇国にとっては、イーシュウが１年の４分の３が雨季に当たる雨の国であったために、さほどの興味を引かなかったことや、吸収合併に反対する一派を国外に一掃出来たこと、いざとなれば小国であるイーシュウを力ずくで平定できることなどがあり、サリアリアス皇国に無視される形で独立を果たした。
イーシュウはその点をわきまえており、小国としてサリアリアス皇国の体面を傷つけないように存在し続けたという。

守り続けた独立

しかし、統一暦９００年代に入り、サリアリアス皇国に反旗を翻す形でアストインバーグが建国されるとその流れにのり、キトブクがサリアリアス皇国から独立を果たすと事態は一変する。
もともと、イーシュウはキトブクの一部であったために再び統一しようという機運が高まってくる。この議論は独立を果たしたばかりのキトブクではより積極的に行われたが、小さいながらも独立を維持し続けていたイーシュウに取ってはその自尊心を踏みにじられるようで受け入れがたい話であった。
このイーシュウの態度はキトブクを刺激して、大陸戦争を背景とした世界的な情勢もあり、両国の間で戦端が開かれることになる。
この戦いは次第に国力に勝るキトブクが優勢に戦いを進めていくが、統一暦１００５年に天魔法を利用した雨の部隊が設立されるとこの戦いは一進一退の攻防を繰り返すようになる。戦線が膠着するに従い、そもそも力ずくでイーシュウを従わせることはないという議論が穏健派を中心に議論されるようになり、両国の戦いは終わりを迎える。
その後、対等の立場で両国の和平を結ぶと、元々同一国であったことからか両国の結びつきは一気に強くなる。そして、両国の間に国境があることが意味をなさないのではないかと考えられるようになり、統一暦１１０２年再びイーシュウはキトブクの一部となる。この際に結ばれた条約の中にはキトブクがまた他国からの支配を受けることがあった場合には、イーシュウが無条件で再び独立を果たせることが約束されていたという。

関連年表

統一暦７００年頃：イーシュウ、キトブクから独立。
統一暦１００５年：雨の部隊、設立。
統一暦１１０２年：イーシュウ、再びキトブクと合併。