ukariko Creation

ukariko Creationについて
ブログ
リンク
メルマガ

コーアイラの反乱

[コーアイラノハンラン]

統一暦628年にポストマーズロマーズで起きた事件。
一兵卒であったコーアイラ・バーサがわずかな手勢で城を占拠した事件。ロマーズの王の証である白竜の剣の話として語られることが多い。

発端

統一暦628年、ロマーズの一兵卒であったコーアイラは退屈な毎日を過ごしていた。そんな日常のある日、酒場で兵士仲間と飲んで退屈な日々を愚痴っていると、仲間のひとりが王様にでもなれば退屈じゃなくなると言った。酔いもあり、当然冗談で終わるはずだが、コーアイラはそれはいい考えだと思った。
翌日、酔いが完全に醒めていたコーアイラだったが、実際に計画を練ることに熱中した。計画を練ることだけでも十分に退屈でなくなっていたのだが、実際に計画を実施すれば更に楽しくなるのではないかという思いに支配されるようになった。
実際に事件を起こすとなれば、さすがに兵士仲間も賛成するとは思えなかったので、兵士仲間の間で評判の悪い上兵をからかう作戦だといいくるめ、その計画に兵士仲間を引き込むことに成功する。

経過

コーアイラが仲間達に告げた計画では、厳重な警備が行われている場所に侵入者があったと思わせ、その警備の責任を上兵に負わせるというものだった。
この程度であれば、上兵が叱責される程度で済むはずであり、更に物事が大事にならないように王がいない間に実行するというものであった。
コーアイラが計画を実行した日、王をはじめとする国の中枢を司っている大部分の者が城を留守にしていたこともあり、計画は考えていた通り順調に進んだ。
仲間達もたかだか上兵をからかうための作戦としては大がかりだと考える者もいたが、計画が順調に進んだことでそう考える者もいなくなっていた。
そして、コーアイラの思い通り、城の中枢部をコーアイラの仲間達が完全に支配に置くことに成功する。この時点でも兵士仲間達はコーアイラの計画に気がついていなかった。
コーアイラは城を制圧することに成功して喜びを隠せなかったが、そこではじめてその後どうするかを考えていなかったことに気がつく。
どうするべきかを悩むコーアイラだったが、事態は意外な展開を見せることになる。
当時、ロマーズはソマーズとの間で軍事的な同盟を極秘で結ぶ計画が進められていた。この交渉のために王クノトー・スファイアは城を留守にしていた。
城が何者かに占拠されたという情報はすぐにクノトーの元にたどり着いたが、それが何のために何者によって行われたかは判らなかった。時期が時期であるために、軍事同盟を巡ってトマーズ、ソマーズが仕掛けてきたとも、内乱が起こったとも、十二魔法士が起こしたとも言われた。
城の内部ではコーアイラが苦し紛れの策として、クノトーのフリをすることを思いつく。コーアイラはクノトーのフリをして、外出先で将校の反乱にあったクノトーは命からがら逃げてきて城に戻ってきた、これから来る自軍の兵は裏切り者である、という情報を流す。
城の状況を確かめようとした偵察部隊がこの情報により壊滅させられと事態は更に混乱の度を増していく。
この混乱した状況を修めたのがクノトーである。例え何者に城を奪われても王の証である白竜の剣を持つ自分が王であることを宣言する。これに兵達は落ち着きを取り戻し、更に城の兵士達も白竜の剣を見て城にいるのは偽者ではないかと思うようになる。そして、あっけなく偽物であることがばれてしまい、クノトーは城を取り戻すこととなる。
なお、最終的にコーアイラを捉えたのはコーアイラの兵士仲間であった。

顛末

城を奪われるという事態になり、その背後関係の調査が徹底的に行われることになる。しかし、事件の詳細が明らかになり、コーアイラの思いつきがすべての発端であると判ると事件をどう処理するかが難しい問題となる。
たかだか一兵卒に城を奪われたという事を大々的に公表することはできなかったために、クノトーと王の証である白竜の剣を中心として、首謀者に関しては名前のみで素性に関しては詳しくは明らかにされなかった。
首謀者であるコーアイラは厳罰に処せられたが、それ以外の者に対しては減給程度の寛大な処置となった。
この結果にクノトーは苦々しい思いを持っていたようである。なお、ソマーズとの間の軍事同盟は事件の影響があったかは定かではないが成立には至らなかった。


ukariko Creation Topへ
Copyright (C) 2005-2013 うかりこ. All Right Reserved