海暦
[ウミゴヨミ]
統一暦の元になったと言われる暦。元々は北央海の漁師の間で使われていた暦で北央海の潮の流れをベースにしている。
潮の流れが北に向いているときを内、南に向かっているときを外と読んでいた。
統一暦が広まると徐々に廃れて行くことになり、自然消滅のように消えていった。
漁師の間で使われていた暦
統一暦前に使われていた暦。その正確な起源はわかっていないが潮の流れを見極めるために北央海の漁師の間でいつの頃からか使われていた。潮の流れが北に向いている時には海が比較的穏やかであり陸地に近い部分で魚が取れることが多かったために内といわれ、逆に潮の流れが南に向いている時には陸地から離れないと魚が取れなかったために外と言われる。この切り替わりの周期がおよそ26日周期であった。この暦には年の概念が希薄であり、また、潮の流れによっては26日たたないうちに変わったり、それ以上の日数がかかっても内外が代わらないときもあった。いわゆる暦というよりも漁師による目安という使われ方をしていた。
統一暦との関わり
ガルドベ・ルド・ニオが統一した暦を作ろうとしたとき最初に思い立ったのが海暦をそのまま採用しようと考えていた。それはガルドベが大陸間の交易を進める中でこの暦が役に立っていたことが第一に挙げられた。しかし、海暦の曖昧さは商売に利用するには不便となっていた。そのため、統一暦が考えられるようになる。統一暦では潮の流れが第一恒星ス・ネ・イエと、第二恒星ユーニリによって引き起こされることと、その周期が26日と定まっていたことから正確な暦を刻めるようになった。これにより統一暦では海暦の曖昧さはなくなることになった。
消えていく運命
海暦自体は元々特に名称をつけられていなかった。しかし、統一暦が広まるにつれその元になった暦として、後に海暦という名称がつけられることになった。そんなこともあり、統一暦が広く一般的に使われるようになると、海暦を使う者の数は徐々に減っていき最終的には自然消滅のように消えていった。
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